黙ってないで愚図ってないで

翼くんとタッキーのお話

屋根裏の恋人 第7話『憎悪の告白』

〝好き放題言えばいい。いたぶって、自分の優位さを示せばいい。全てを失ったとしても 本当に大切なものだけは 決して奪われる事はない〟

 

…。なんか物凄くカッコいい事言ってますが、肝心の〝本当に大切なもの〟がブレブレで残念過ぎる衣香。調子良過ぎ鎌倉マダム、エビチリは◯ックドゥじゃなく全て手作り派。裏切りの香りより豆板醤強め、香味野菜タップリで夏バテにも二重丸。料理上手で旦那の胃袋ガッチリ良妻賢母でも不倫されるんだからもう相手が悪かったとしかいいようが無い。

 

さて。妻の親友と8年に渡り不倫関係を続けた挙句全てを打ち明けさっさと終わった事にした夫。昔の恋人を屋根裏に住まわせ恋が再燃した妻。謝罪する事もなくノコノコ家までやって来て開き直る親友。勝手に屋根裏に住み着き様々な妻み食い、じゃなくてつまみ食いしつつ復讐の証拠集めに成功する男。悪いのは誰でしょう?なんて考えていたら殺人を犯した時点でこの答えは出てしまった。誠さん、誰が本当に〝殺人犯でも、全てを失っても〟愛してくれるのかしらね?

 

それにしても物凄い告白大会だった。人は隠し事を貫いて生きるより正直に吐いて罪を共有する方が楽だよね…でも言われた方は堪らない。〝自分に正直でいたい〟って不倫する人間の常套句なんですか?あと〝十字架〟ね。一生背負えるように誰かおんぶ紐に括り付けてあげて!しかし誠からのカミングアウトで面食らった衣香も結局ゲロって笑えた。やはり似た者夫婦。思ったことを全て言葉にしていいのは子どもくらいでしょ、それも物心ついたら自粛するで。

 

屋根裏を卒業した樹くん、割と神出鬼没な樹くん、だけど刑事さんには会わない樹くん。物陰からフワッと出てくる姿が素敵。ちょっと根暗で何を考えているのかわからず、不気味でつかみ所のない不安定な役が良く似合う。犯罪者じゃないのに(不法侵入は別として)極悪逃亡犯みたいな身なりと伸びた前髪がまた不気味でカッコいい。

 

目まぐるしく変わる一家の暮らし、そこに関わる人々の心の変化、色々思うところはあるけれど結局はこのドラマ、〝ありえない〟で終わる。だけど世の中ってそういうものかも。はたから見たら馬鹿みたいな誘惑とか、満たされない日常から脱却したい漠然とした憧れとか、 自己中心的で短絡的な考えに支配される人とか、案外見聞きする。欲望のまま突っ走りたくても理性で抑える大人にとって、衣香が全てのしがらみから解き放たれ好きに生きる姿を見たいのかもしれない。って私、誰ですかね?

 

私はとにかくあと1話で終わりって実感が湧かない。西條家にはいつまでもウダウダやってて欲しかった。衣香には永遠に何1つ決断出来ないオンナでいて欲しかったし、誠には不倫夫としてゲスいオトコを続けて欲しかった。下衆同士お似合いな仮面夫婦、側から見たら滑稽だけど本人達はそれなりに人生幸せなのかもしれない、全て秘密のままなら…。そして樹には屋根裏の暮らしをもっと満喫して欲しかった。月夜のバイオリン、明かり取りから下界を見下ろす瞳、秘密の情事、もっとドキドキしていたかったし、もっとツッコミたかった。最終話、私は予告を見ていない。一切の情報を断ち切って土曜日を迎えたい。結局真面目に1人論議しながら楽しめているから、やっぱり翼くんの出演する地上波の連続ドラマって最高。